コンシリエンス学会研究会(2023年 1月22日(日) 13時~14時30分: 15時まで延長可能性有 )
【テーマ】ネオ・サイバネティックス理論に基づく紛争の一般理論
【報告者】加藤朗
【司会者】伊藤隆太
【申込】コンシリエンス学会研究会(講演者:加藤朗) | Peatix
【要旨】
ネオ・サイバネティックスはサイバネティクス理論の第二世代にあたる。生物、機械、社会などすべてのシステムを情報から説明する点で両者は同じだが、前者は、システムを認識するヒトをシステムに包含する構成主義理論であり、他方後者はシステムを認識するヒトを外部に置き、システムの実在を前提とする客観主義理論である。
ネオ・サイバネティクス理論では紛争を一対の主体間の情報の相互作用と定義する。情報の相互作用は、相互に無拘束(対立)の状態である「状況」から、コード(法律、規則等)による相互拘束(協調)の「制度」の状態をへて、アルゴリズム(設計、プログラム等)による「組織」すなわちシステムを構築する。システムは、システムの内外で情報の相互作用を繰り返しながら、エントロピーの増大(デコード)により「状況」へと回帰する。紛争とは、この情報の相互作用の動的過程である。
本研究の目標は、ネオ・サイバネティックス理論に基づき、これまでの自然科学や社会学を、情報論的・システム論的に転回し、情報の相互作用の動的過程として統合することにある。
関連する研究書:
加藤朗『国際紛争はなぜ起こるか――ネオ・サイバネティックス紛争理論の構築』(論創社、2022年)。